- シニア調査
作成日:2026.01.28
大手企業の成功事例から学ぶ!高齢者向けビジネスのスタートや起業方法・注意点とは?
高齢化がすすむ日本において、シニア向けビジネスを始めたいと考える中小企業や個人起業家もいるでしょう。しかし、「高齢者ビジネスは大手企業向けだ」と感じる方もいるかもしれません。 実は、中小企業や起業家だからこそ、きめ細やかなサービスや地域密着型の強みを活かして、大手企業には真似できないビジネス展開ができる可能性があります。
そこで本記事では、大手企業の成功事例を参考にしつつ、ノウハウが少ない中小企業や個人起業家でも成功できるような方法をご紹介します。高齢者市場で新たなビジネスを始めるヒントについて、早速チェックしていきましょう!
目次
シニアビジネス市場の現状

日本の高齢化率は2023年の時点で29.1%に達し、2037年には33.3%まで上昇する見込みです。さらに注目すべきは、65歳以上で「4,000万円以上の貯蓄を有する」世帯が、17.9%であり、全世帯の12.5%より高い水準であることです。このデータから、シニアが購買力を持つ「魅力的な顧客層」だということがわかります。
また現代のシニア層は、従来のイメージとは異なる部分があるでしょう。昨今では、健康志向のアクティブシニアから介護が必要なケアシニアまで、ニーズが多様化しています。そのため、健康や介護分野から、趣味や学びまで、多様なシーンでビジネスの機会が存在します。
参照:内閣府_令和6年版 高齢社会白書(全文)(PDF版)
新規参入にもチャンスがある
シニア市場の魅力に気づき、競合の企業が相次いで参入していることも事実です。しかし、新規参入でもチャンスは十分にあります。実際に、大企業にはない柔軟性を活かして、成功するケースも見受けられます。
しかし、シニア市場に参入したものの、「シニア向けなら何でも売れる」と安易に考えてしまい、思うような成果が出ずに苦戦する企業も存在します。成功するには、シニアのニーズや価値観を正しく理解することが大切です。
それでは、具体的にどのような点に注意すれば良いのでしょうか?次の項では、中小企業や起業家がシニアビジネスに参入する際の注意点について解説します。
中小企業や起業家が、シニアビジネスに参入する際の注意点
中小企業や起業家が、シニアビジネスに参入する際に気をつけたい内容は、以下の通りです。
他社との差別化が必要

昨今では、シニア市場の魅力に気づいた企業が続々と参入しており、一部ではレッドオーシャン化がすすんでいます。そのため、適切な対策をしないと、ライバルに埋もれる可能性があります。
シニア市場で差別化するには、既存事業の強みとシニアのニーズを掛け合わせ、独自のポジションを築くことが大切です。しかし、表面的に見えるニーズだけを捉えても、真に求められるサービスを提供することはできません。 たとえば、「健康」というキーワードをとっても、シニアが本当に求めているのは、「健康寿命を延ばして、旅行や趣味を長く楽しみたい」という願望かもしれません。 そのため、シニア市場で差別化を図るには、市場動向やシニアの価値観を理解することが不可欠です。
固定観念で捉えるのは危険
たとえば、「たいていの高齢者はデジタルが苦手」などのイメージは、単なる思い込みかもしれません。実際に、昨今のシニア市場はニーズが多様化しており、変化のスピードも速いです。そのため、以前の常識が、昨今では通用しないケースも見受けられます。
また近年では、若い世代と共通の価値観を持つシニアも見受けられます。そのため、高齢者ビジネスに参入する場合には、常にシニア像をアップデートし続けることが大切です。シニアのリアルな声に耳を傾け、変化を察知する姿勢が求められます。
成功企業のアプローチを学ぶ
シニアビジネスで成功するには、すでに成果を上げている企業の戦略を学ぶことが大切です。とくに大手企業の成功事例は、貴重な学習材料になり得ます。なぜなら、自社の強みを、シニア市場でどのように活かすかという応用戦略を学べるからです。
また大手企業は、豊富な資金を投じて徹底的に市場調査をしているため、シニアの本音を得るためのヒントがわかります。根底にある高齢者ニーズの捉え方や、自社の強みを活かす方法は、事業規模を問わず応用できます。
スタートアップも参考にしたい!大手企業の高齢者ビジネス成功事例5選
ここでは、中小企業や個人起業家も参考にしたい「大手企業の高齢者ビジネス成功事例」について解説します。各事例では、成功ポイントに加え、中小企業や個人起業家が応用できる方法についても紹介します。
事例①:宅配サービスA社|健康×手軽さでシニア層にも展開

宅配サービスA社は、管理栄養士監修の冷凍宅配食サービスを展開しています。A社は、健康的な食事を手軽に食べてほしい思いはそのままに、ターゲット層をシニアまで拡大しました。
【成功のポイント】
- シニアの「毎日の調理が負担」という、切実な課題を解決した
- 既存の製造ラインや物流網を活かし、新たな投資を最小限に抑えた
中小企業や個人起業家が応用する際には、地域の食材を活用した手作り弁当や、栄養バランスを考慮した惣菜の宅配などが考えられます。また、食品衛生管理の徹底や、継続利用を促す仕組み作りを考慮する必要があります。
事例②:フィットネスジムB社|コミュニティという価値を提供
フィットネスジムを展開するB社は、女性シニア層に焦点を当てたフィットネスジムの運営で、成功しています。
【成功のポイント】
- シニア女性専用のフィットネスジムなので、シニア女性の「運動をしたいけれど、周囲の目が気になる」という悩みを解決できた
- ジムに行くと仲間と交流できるため、継続してもらいやすい
中小企業が応用する場合には、運動教室とカフェを組み合わせて交流の場を用意する、地域のサークル活動と連携する、などが考えられます。
事例③:スマホ教室C社|全国の店舗網を学びの場として活用
全国にスマホショップを展開するC社は、シニア向けのスマートフォン講座を展開しています。携帯販売・契約という既存店舗の役割を、シニアに向けた「顧客サポートと学びの拠点」へと再定義しました。
【成功のポイント】
- 長期的な顧客育成を実現している
(スマホ教室に来たシニアが、機種変更や新サービスを契約してくれる)
- 家族に聞きにくいシニアの悩みに応え、安心して学べる環境を提供した
中小企業や個人起業家が応用する際には、デジタル機器の使い方教室などが考えられます。
事例④:旅行会社D社|孤独を共感に変えた
旅行パッケージを提供するD社は、「一人参加でも楽しめる」「同じ趣味の仲間が見つかる」といったシニア向けのパッケージを前面に押し出しました。
【成功のポイント】
- 共通の趣味でつながる喜びという、ポジティブ体験へとつなげた
- リピート率の向上と口コミによる新規獲得を実現した
中小企業が参考にする場合には、地域の歴史をテーマにした体験ツアーや、趣味を共有できる少人数制の旅行企画などが挙げられます。個人起業家であれば、地元野菜を使った料理教室など、ニッチな分野に特化するのも有効です。
事例⑤:GPSサービスE社|本人と家族、双方のインサイトを捉える
E社では、小型GPS端末による見守りサービスを展開しています。また同社は、サービスの意思決定者が離れて暮らす家族である点に着目し、シニア向けの端末も用意しました。
【成功のポイント】
- 家族と本人の両者に配慮したサービス設計を行った
(過度な監視はしたくないという家族と、監視されたくないシニア)
- 通信キャリアとしての技術力とブランドの信頼性を活かした
中小企業や個人起業家が参考にする際には、地域の見守りサービスとの連携や、緊急時のサポート体制の整備などが挙げられます。
成功企業に共通する3つの視点
企業規模を問わず、シニア市場で成功を収めている企業には、共通する3つの視点があります。ここでは、高齢者ビジネスを軌道に乗せるためのポイントについて、見ていきましょう。
できないを補うのではなく、やりたいを叶える

高齢者に対して、老いや衰えから「できなくなる」という、ネガティブなイメージを持つかもしれません。
しかし、昨今のシニアは「学びたい」「健康でいたい」など、ポジティブな欲求を持つケースも多いです。そのため、ネガティブな視点で商品やサービスを展開しても、購入や利用に結び付きにくい側面があります。
実際に成功している企業は、シニアの「できない」ではなく、「やりたい」に着目する傾向にあります。そのため、希望を実現するという視点を持つことが、シニアの心に響く基本だといえます。
多世代に共通する価値をシニア向けに応用している
成功事例の多くは、若年層やミドル層など、多世代にも共通するニーズに着目しています。 とはいえ、これからシニア市場に参入する場合に、無理をして新しい価値を創造する必要はありません。たとえば、「生活の利便性向上」「社会とのつながり」といった若年層やミドル層も持つニーズを、シニアの課題や状況に合わせて再定義します。すると、新たなビジネスチャンスが生まれやすくなります。
真のターゲットに訴求している
ビジネスにおいて、誰に、何を、どのように届けるかは、成功を左右する重要な要素です。シニアビジネスにおいても、例外ではありません。 とくに高齢者を対象としたサービスでは、利用者と購入決定者が異なるケースも多いです。たとえば、介護用品レンタルサービスを利用するのはシニア本人であるものの、契約を決めるのは子や孫といった具合です。このような場合に、ターゲットをシニアとしてマーケティング活動を行うと、思うように商品やサービスが売れない可能性もあります。成功企業は、このようなシニア特有の構造を把握しています。
大手企業でも陥る|シニアビジネスの注意点とは?
シニアビジネスには、多くの企業が陥りやすい注意点も存在します。ここでは、大手企業でも陥りがちな代表的な注意点を3つ紹介します。高齢者向けビジネスを始めたい場合には、以下の3点に注意することが大切です。
お年寄り扱いをしすぎる

シニアビジネスにおいて、注意すべきことの一つに、シニアを「お年寄り」として一括りに捉えてしまう点が挙げられます。たとえば、良かれと思って「おじいちゃん、おばあちゃんでも安心」などの表現を使うと、当事者の自尊心を傷つけて敬遠されることにもなりかねません。このようなことは、担当者とシニアとの接点が少ないと起こりがちです。
また、昨今のシニアは心身ともに若い傾向にあり、「自分はお年寄りではない」という認識を持つ人も多く見受けられます。そのため、シニアをお年寄り扱いすると、商品やサービスを受け入れてもらえない可能性があります。
担当者の価値観だけですすめる
シニアビジネスの失敗例として、担当者自身の経験や価値観だけでプロジェクトをすすめるケースが挙げられます。 たとえば「自分の親はこうだから」といった個人的な考えや、「シニアは和食を好む」といった固定観念で事業をすすめると、需要を取りこぼしてしまう可能性があるでしょう。
シニア市場は個人差が大きいことを理解し、柔軟な視点から市場を捉える必要があります。またさまざまな属性のシニアから、自社のターゲットとなるシニアの声を聞くことが重要です。
アンケート調査だけで満足してしまう
シニア市場のニーズを把握する際に、アンケート調査は有効な手段です。しかし、アンケート結果だけに頼るとリスクがあります。回答を鵜呑みにすると、本質的なニーズを見誤る可能性があるからです。たとえば、シニアが調査員に気をつかって「建前」で答えたり、遠慮して困っていることを口にしなかったりするケースがあります。
また、アンケート調査の結果を正しく分析し、ビジネスにつなげるには、専門的な知識や経験が不可欠です。 客観的な視点を取り入れ、データに基づいた戦略を立てるためには、専門家のサポートも視野に入れると良いでしょう。
シニアビジネスを成功させるには、正しい顧客理解から
大手企業は、シニアの多様な価値観や潜在ニーズを理解するために、さまざまなリサーチを行っています。 しかし、中小企業や起業家にとって、必ずしも大規模なリサーチが必須というわけではありません。大切なのは、予算や規模に合わせた最適な方法で、顧客理解を深めることです。
そこで重要になるのが、シニア市場に精通した専門家の知識やノウハウを活用することです。中小企業や起業家の状況を理解した上で、最適な調査方法や分析手法を提案してくれるパートナーを選ぶと良いでしょう。 どこに相談すれば良いか迷ったら、シニア市場の調査実績が豊富な「コスモラボ」にご相談ください。貴社の課題やご予算に合わせて、最適なリサーチプランをご提案いたします。
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