• アンケート調査

2026.05.29

【2025年版】シニア層の記憶力低下に関する実態調査レポート

本レポートでは、50歳以上のシニア層を対象に、記憶力低下の自覚、物忘れの内容、睡眠満足度、健康診断での指摘、そして実際に行っている予防行動や関心のある情報テーマについて調査しました。加齢に伴う認知不安がどのように生活感覚や行動に結びついているのかが明らかになりました。

【2025年版】シニア層の記憶力低下に関する実態調査レポート
  • 記憶力低下の実感は広く浸透
  • 変化を意識し始めるのは60代以降が中心
  • 対策意識はあるが行動は二極化

最近、以前より物事を覚えにくくなったと感じますか?(有効回答者数:482名)

最近、以前より物事を覚えにくくなったと感じますか?(有効回答者数:482名)
「少しそう感じる」(44.0%)と「はい(明らかに落ちた)」(42.5%)が大半を占め、記憶力の変化を自覚している人は合計86.5%に達しました。「あまり変わらない」(12.7%)は少数派で、加齢に伴う物忘れの実感はかなり広く共有されています。

この結果は、深刻な症状の有無とは別に、多くのシニアが日常の中で“以前との違い”を感じ取っていることを示しています。記憶力低下は医療課題であると同時に、生活実感に根差した不安テーマとして捉える必要があると考えられます。

記憶力の低下を感じ始めたのはいつ頃ですか?(有効回答者数:478名)

記憶力の低下を感じ始めたのはいつ頃ですか?(有効回答者数:478名)
「60代以降になってから感じ始めた」(73.6%)が圧倒的に高く、「50代になってから感じ始めた」(19.9%)が続きました。40代以前から感じていた層は少なく、変化の自覚は主にシニア期に入ってから強まっています。

記憶力低下を“年齢の節目”と結びつけて捉える傾向が強いため、60代前後は不安喚起だけでなく、予防行動を提案しやすいタイミングでもあります。違和感を感じ始めた段階で、睡眠や運動、食生活といった改善策につなげる設計が有効と考えられます。

忘れやすい内容の傾向(複数回答可)(有効回答者数:478名)

忘れやすい内容の傾向(複数回答可)(有効回答者数:478名)
忘れやすい内容は「人の名前」(81.4%)が突出し、「日常の細かいこと(買い物、鍵など)」(37.4%)、「会話や情報の内容」(24.7%)が続きました。対人場面と生活の細部における記憶の揺らぎが、特に強く意識されています。

名前を思い出せない場面は対人関係の気まずさにつながりやすく、本人の自信低下や老化不安を強める要因になりやすいと考えられます。単に記憶の問題として扱うだけでなく、生活の安心感や社会参加のしやすさと結びつけて支援する視点が重要です。

最近の健康診断などで、動脈硬化に関連する項目(血圧・コレステロール・血糖など)について指摘を受けたことはありますか?(有効回答者数:482名)

最近の健康診断などで、動脈硬化に関連する項目(血圧・コレステロール・血糖など)について指摘を受けたことはありますか?(有効回答者数:482名)
「はい」(60.0%)が最多で、「いいえ」(35.1%)を大きく上回りました。記憶力への不安を抱える層の中では、血圧・脂質・血糖など循環器関連の指摘を受けた経験が広く存在しています。

もちろん因果を断定することはできませんが、記憶力低下の実感が生活習慣や血流不安と結びついて受け止められる土壌は大きいと考えられます。記憶の話題を単独で扱うより、生活習慣病予防や血管ケアと合わせた情報提供のほうが納得感を得やすい可能性があります。

普段の睡眠について、どの程度満足していますか?(有効回答者数:482名)

普段の睡眠について、どの程度満足していますか?(有効回答者数:482名)
「だいたい満足している」(37.3%)と「やや不満足」(37.3%)が並び、評価は真っ二つに分かれました。「ほとんど満足していない(睡眠不足が続いている)」(18.7%)も一定数おり、睡眠状態には明確な分断が見られます。

睡眠は記憶力や集中力と結びつくテーマとして理解されやすく、日常で改善可能な対策領域でもあります。不安を抱える人にとっては、医療的な難しさよりも“まず整えやすい生活習慣”として、睡眠改善が入口になりやすいと考えられます。

調査概要

調査対象 コスモラボのアンケートモニター
調査地域 全国
調査方法 ネットリサーチ
調査時期 2025年11月実施
回答者数 482名
調査会社 コスモラボ ( コスモヘルス株式会社 )
総評 本調査から見えてきたのは、シニア層にとって記憶力低下はごく一部の深刻な悩みではなく、多くの人が日常的に感じている“広く共有された不安”だという点です。実際に、以前より覚えにくくなったと感じる人は86.5%に達し、その多くが60代以降に変化を意識し始めています。
一方で、物忘れの自覚があっても「非常に困っている」人は少なく、現時点では生活破綻よりも“気になり始めている段階”の人が中心です。この段階では、強い警告や医療訴求だけでなく、今すぐ始められる生活改善策のほうが受け入れられやすいと考えられます。
また、忘れやすい対象として「人の名前」(81.4%)が突出したことは、記憶の問題が社会的な場面で強く意識されていることを示しています。本人の不便さだけでなく、自信や対人関係への影響も含めて捉えることが重要です。
対策行動では、脳トレ、運動、睡眠など比較的身近な方法が支持される一方、「特に何もしていない」(28.6%)も高く、行動への移行には壁があります。情報ニーズでも、関心が高いのは“今日からできる習慣”“食事によるサポート”“危険サインの見分け方”であり、難しい理論より具体的な実践策が求められています。
総じて、記憶力低下テーマでは、不安喚起よりも“自分ごと化しやすく、すぐ試せる提案”が鍵になります。生活習慣病や睡眠、血流ケアとも接続しながら、無理なく続けられる行動を段階的に示すことが、シニア層の納得感と行動変容の両立につながると考えられます。