• アンケート調査

2026.05.29

【2025年版】シニア層の節約・物価高に関する実態調査レポート

本レポートでは、50歳以上のシニア層を対象に、物価高によって負担が増えた分野、節約行動の変化、削る支出と守りたい支出の優先順位、そして今後の買い方や公的支援への期待について調査しました。シニア世代の暮らしでは、節約が単なる我慢ではなく、生活防衛と安心確保のバランスの中でどのように組み立てられているのかが明らかになりました。

【2025年版】シニア層の節約・物価高に関する実態調査レポート
  • 食料品と光熱費が家計圧迫の中心
  • 節約行動はすでに日常習慣へ移行
  • 削る一方で食と健康は守りたい

直近1年で「家計の負担が増えた」と感じる分野はどれですか?(複数選択可)(有効回答者数:829名)

直近1年で「家計の負担が増えた」と感じる分野はどれですか?(複数選択可)(有効回答者数:829名)
「食料品」(93.0%)が圧倒的に高く、「光熱費」(58.7%)、「交通費(ガソリン・公共交通)」(44.0%)、「日用品」(42.7%)が続きました。生活に欠かせない支出ほど値上がりの実感が強く、特定の嗜好品ではなく日常の基礎コストが家計を圧迫しています。

この結果からは、シニア層にとっての物価高が“選べる出費”ではなく“避けにくい固定的な負担”として認識されていることが分かります。節約提案や商品訴求を考えるうえでも、贅沢の削減より先に生活必需領域の負担軽減が求められていると考えられます。

物価高を受けて、あなたの節約行動は変化しましたか?(有効回答者数:829名)

物価高を受けて、あなたの節約行動は変化しましたか?(有効回答者数:829名)
「変化した」(67.8%)が「変化していない」(32.2%)を大きく上回り、物価高が多くの人の行動変容を促していることが分かりました。値上がりは意識の問題にとどまらず、実際の購買や暮らし方の見直しへつながっています。

注目すべきなのは、節約が一部の家計防衛意識の高い層だけの動きではなく、シニア層全体の標準行動になりつつある点です。これからの提案では“節約している人向け”ではなく、“既に何らかの調整を始めている人向け”という前提が必要になりそうです。

物価高を受けて、あなたの節約行動はどう変化しましたか?(複数選択可)(有効回答者数:562名)

物価高を受けて、あなたの節約行動はどう変化しましたか?(複数選択可)(有効回答者数:562名)
具体的な変化では「特売・まとめ買いが増えた」(58.7%)が最も高く、「外食・デリバリー回数を減らした」(45.4%)、「電気・ガスの使用を抑えるようになった」(44.0%)、「日用品の購入頻度/量を減らした」(37.2%)が続きました。買い物の工夫と日々の使用量抑制が、節約の中心になっています。

ここから見えるのは、我慢だけでなく“選び方を変える”“使い方を変える”という実務的な節約へのシフトです。単に安いものを探すよりも、日常の運用全体を見直して支出を抑える姿勢が強く、継続しやすい節約設計への関心が高いと考えられます。

節約の際に「最も優先して削っている支出」は何ですか?(有効回答者数:562名)

節約の際に「最も優先して削っている支出」は何ですか?(有効回答者数:562名)
「食費」(23.8%)、「外食・娯楽」(22.8%)、「衣料・美容」(19.8%)、「旅行・レジャー」(18.3%)が拮抗し、特定の一項目に偏らず幅広い支出が見直されています。とくに日常生活に近い食費まで削減対象に入っている点が印象的です。

本来は削りにくいはずの食費が上位に入ることから、シニア層の節約がかなり現実的な段階へ進んでいることがうかがえます。ただし、単純な支出削減は満足度低下にもつながりやすく、次の設問で見える“守りたい支出”とのせめぎ合いが重要なポイントになります。

一方で、物価高でも「削りたくない/守りたい支出」は何ですか?(有効回答者数:562名)

一方で、物価高でも「削りたくない/守りたい支出」は何ですか?(有効回答者数:562名)
守りたい支出では「食費(品質・安全・栄養)」(36.5%)が最も高く、「健康・医療」(30.6%)が続きました。交際費や趣味よりも、まず身体を支える支出を守りたいという意識が明確です。

節約志向が強まっても、シニア層は“何でも切り詰めたい”わけではありません。むしろ、健康や安心に関わる領域は最後まで守りたいと考えており、価格訴求だけでなく品質、安全性、継続利用の納得感が選ばれる条件になっていると考えられます。

調査概要

調査対象 コスモラボのアンケートモニター
調査地域 全国
調査方法 ネットリサーチ
調査時期 2025年12月実施
回答者数 829名
調査会社 コスモラボ ( コスモヘルス株式会社 )
総評 本調査から、シニア層にとって物価高は単なるニュース上の出来事ではなく、日々の暮らしに直接響く現実的な圧迫として受け止められていることが分かりました。とくに「食料品」(93.0%)や「光熱費」(58.7%)の負担感が突出しており、生活必需支出の上昇が家計全体の緊張感を高めています。
その結果、多くの人がすでに節約行動へ移っており、「変化した」人は67.8%に達しました。特売活用、外食削減、光熱費の抑制など、節約は単発の工夫ではなく日常運用の見直しとして定着しつつあります。今後も「いるものだけ買って、ムダな出費は減らしたい」(73.5%)という意識が強く、慎重消費は続く見通しです。
一方で興味深いのは、削減対象として「食費」(23.8%)が上位に入るほど切り詰めが進む一方、守りたい支出では「食費(品質・安全・栄養)」(36.5%)と「健康・医療」(30.6%)が高くなっている点です。つまり、シニア層は安さだけを追い求めているのではなく、健康や安心を損なわない範囲で節約したいと考えています。
買い方の変化でも「価格重視になった」(59.3%)が最多でしたが、「品質・安全性重視になった」(30.9%)や「長持ち・コスパ重視になった」(25.5%)が続きました。これらは、価格だけの競争ではなく、“納得できる支出”を求める傾向が強まっていることを示しています。企業側には、安いことそのものより、長く使えること、無駄が少ないこと、安心できることをどう伝えるかが問われています。
総じて、物価高下のシニア消費は『削る』と『守る』を同時に行うバランス型へ向かっています。生活防衛意識は強いものの、健康、食の質、将来の安心に関わる領域は簡単には手放されません。価格訴求だけでなく、安心感、継続しやすさ、暮らし全体の納得感を備えた提案が、これからのシニア市場ではより重要になると考えられます.